栄養改善

〈連載第2回〉 低栄養の予防

前回は低栄養の要因とサインに関する6か条を説明しました。この中で、血清アルブミンが4.0g/美馬にになることをサインの1つに含めました。地域住民の平均は4.4gくらいなので4.0g未満ではやや低栄養に傾いています。 この血清アルブミンが低下すると余命が短くなり、寝たきりのリスクが増し、肺炎の原因になることが筆者たちの研究で明らかとなりました。したがって、筆者たちは20年前からこれおを老人保健法の基本健康診査の検査項目に入れることを主張してきたのです。今回、4月から施行される老人保健法の改正により、65歳以上の住民かの検査項目に入れられるようになったことは大変喜ばしいことです。


しかし、その基準値を3.5g/としているところに若干の問題があります。3.5gを切るレベルでは、低栄養、がん、肝硬変などのかなり進んだ状態であり、その回復にはかなり難航するからです。最近の東京都老人総合研究所(筆者は6年前までそこの副所長を務めていました。)の研究は、アルブミン3.8g/を1つの基準としています。65歳以上の地域住民の3.8g以下を低栄養とすると約7カラ%存在することになります。

 東京都老人総合研究所の最近の研究で、アルブミンが3.8g以下になると、握力が弱くなり、膝の伸展性が悪くなり、歩行速度(通常歩行速度、最大歩行速度)も低下することがわかってきました。何とか、3.8g以上のレベルを維持することは生活機能の低下を 予防する上からも大切です 。

 最近、能力の向上のためにエクササイズや筋肉トレーニングが勧められていますが、これも 十分な栄養の元に行われなければ逆効果となります。運動を行うと安静にしてしているときよりもエネルギーの消費も多く、体たんぱく質の分解も速いのです。その点を考慮して栄養管理をしないと、かえってトレーニングにより筋肉が細り、疲労骨折が起こったりするのです。現在、運動と栄養のプログラムをどのように結びつけるのかのガイドラインは確立しておらず、今後の課題です 。

 前回述べたように、栄養の指標にはアルブミンのほかに体重、血清コレステロールなども用いられます。ともあれ、その元となるは食事内容であることは言を待ちません。しかし、毎日異なった食品を摂取している地域高齢者の食事内容を把握することは容易でないのです。1ヶ月くらい調査をしないと年間の平均像はみえてきません。次回は、地域高齢者の食事内容を把握するための簡便な方法について述べることにします。

b>桜美林大学大学院国際学研究科 老年学専攻教授 柴田 博 先生
お茶の水ケアサービス学院主催 介護予防運動指導員養成講座でも講義をされています 。

≫ お茶の水ケアサービス学院のホームページはこちら


コンテンツメニュー
運営会社情報

当サイトはセコムトラストシステムズ社の認証を受けており、お客様より頂いた個人情報はすべて暗号化して送信されます。安心してサイトをご利用ください。