回想法

回想法とは?

回想法の意味は、利用者さんの歩んできた人生を知ることと個別性の尊重です。

介護現場における回想法のもつ意味としては、高齢者が自分自身の人生を振り返り、楽しいひと時を得るという側面です。つまり、高齢者自身にとって大きな意味をもつということです。自分の人生を思い出しながら、他の高齢者や家族や介護職と語り合うことで、その楽しい気持ちは、より確かなものとなって共有されていくことになるでしょう。それが人と人とを結ぶ大切なきっかけとなります。これにより介護者は、一人一人の高齢者の歩んできた人生を知ることができます。これが介護者にとっての回想法の意味です。

下山久之(しもやまひさゆき)氏 NPO法人シルバー総合研究所研究員、松山学園松山福祉専門学校 介護福祉科専任講師 回想法や介護福祉施設の職員に対するスーパービジョンの実践を通じ、介護福祉学を学び続けている。


介護現場における回想法のやり方

写真で見せる回想法をご紹介~写真や小道具など回想法支援グッズをうまく使いましょう!~

「写真でみせる回想法」解説編より抜粋した回想法のやり方のほんの一部をご紹介します。詳細は、「写真で見せる回想法」をご覧下さい。

回想法は、本人の参加の意志がある時に行うことが基本です。

そこで本人の意思を確認し、どなたが参加者となるかを考えていく必要があります。グループ回想法であれば、そのグループは何回行うのかも決めておかなければならないでしょう。また、参加者によってどのようなテーマであれば共通の話題になるのかを考えていかなければいけません。そこで、参会者が決まった後にテーマを決めていきます。個人回想法であっても、大体回数を決め、本人と合意の上で行うのがお互い負担が少ないと思われます。

参加者が決まったら、参加者ごとの目標を考えていくとよりよい実践となるでしょう。「楽しいひと時をすごすこと。」、「他者との交流をもち、穏やかな時間を過ごす」、「昔の体験を活かし、それを今の生活につなげていく」というように一人一人回想法を通して実現したい目標は異なると思われます。目標を明確にすることにより、それを実現するためにはどのようなテーマがより適切であるのかが見えてくるでしょう。そしてそのテーマにふさわしい写真や小道具を決めていきます。そして回想法を行う前に参加者の基本情報を確認しておきます。

この基本的な確認を行うことにより、その方にふさわしいテーマが見えてきたり、グループ回想法であれば他の参加者との共通点が見えてきます。

このように回想法を始める前に、参加者を決め、参加者の基本的情報の収集、テーマと写真やその他の小道具の決定をしておきます。なお、実際に回想法を進めていくときに必要があれば臨機応変にテーマも小道具も変更していきます。

回想法は、適度な時間と刺激量でないと、回想法を終えた後疲れてしまうことがあります。グループ回想法であれば、1回につき、60分ぐらいが適当でしょう。体力の低下や認知症が重度であり、そこまで集中できない場合は、更に参加者にとって無理がないように変更していきます。個人回想法であってもだいたいの時間枠をきめておくといいと思います。グループ回想法で用いられるプログラムの例を示します。

●会場へ誘導(BGMを流す) ●始まりの挨拶 ●自己紹介や言葉による回想の導入 ●写真や道具を用いて回想を展開 ●終わりの挨拶 ●会場から退出(BGMを流す)


一人ひとりの歩まれてきた人生を大切にする援助としての回想法

今、個別性を尊重した介護が求められています。

2015年までに高齢者介護の質を高めていくことの必要性が強く求められています。中でも認知症ケアの標準化と質の向上は急務の課題とされています。この2015年というのは、戦後の第一次ベビーブーム世代、いわゆる団塊の世代がそろって65歳以上になるときです。多様なライフスタイルを貫いてきた世代がそろって65歳以上になるのです。個別性を尊重した介護を当たり前のこことするためには、今から準備を進めていく必要があります。



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