レク日記 第30回 「お笑い芸人じゃいけない?」
ある施設のレクリエーションを見学したときのこと。
そこではお年よりが輪になって座り、ひとりの職員が体操のリードをして、ほかのアシスタント役の職員は輪のあちこちにちらばっていました。
進行役の職員のことばを聞いていると、どうもどこかで聞いたことがあるような感じです。
そんなことを考えながら見ていると、
それは今のバラエティー番組と似ていることに気がつきました。
面白いことをしゃべって、会場や視聴者を楽しませるあれです。
ところが、どうもテレビのあの雰囲気とはかけななれているのが目の前の現実です。
そもそも話術のプロとそれを楽しもうと来ているお客さんと、比べること自体おかしいと思うのですが、それより何より、面白いことを言って笑わせてやろうというところに、根本的な原因があるのではないでしょうか?
施設に来た人たちに、楽しんで帰ってもらいたいという努力は感じられますが、その手段があまりにも無謀な挑戦のように思えるのです。
また、悪いことに、私が見た施設の中で、まれに話がうまい人(面白いことを話す人)が何人かいました。この人たちの場合は、立派な話術という技術ですから、これはこれでいいと思うのですが、
ほかの人達がこれを見て、
(ああ、ああいう風にすればいいんだ)とか
(あんな感じを目指そう)と、
思うこと自体が間違いだと思うんです。
一般の人達が、集団を前にしてことばだけで楽しませる。
しかも相手はお年よりときている。こんな難しいことはありません。
にもかかわらず、それが一般的な施設の風潮に思えてしかたがありませんでした。
高齢者施設のサービスの向上を期待しています。

